ヒアルロン酸科学
ヒアルロン酸は、1934年、Karl Meyerらによってウシの眼の硝子体から単離されました。硝子体は無色澄明なゼリー状球体で光学的機能を持っています。
ヒアルロン酸はウイルスやバクテリアも産生し、その分子構造はヒトのそれと変わりない極めてユニークな分子です。
ヒアルロン酸は、生体内にユビキタスに存在し、組織発生、形態形成、細胞の増殖・分化、細胞死、免疫・炎症、神経など多様な生理機能に関与しています。
ヒアルロン酸は今や多くの人々に知られるようになりました。その応用は、Endre A. Balazs博士(M.D., Ph.D) による変形性関節症治療薬に始まります。現在では、白内障手術、皮膚再生、内視鏡手術、ドライアイ、スキンケア、ヘアケアや衣料などにも応用されています。
ヒアルロン酸研究の最前線では齧歯類としてはきわめて寿命の長いハダカデバネズミが他に類を見ない超巨大ヒアルロン酸を有しており、がんを抑制することが報告されています。ここに寿命ならびにがん抑制のヒントがあると考えられています。
一方、それとは対極にある小さいヒアルロン酸のHA4が、幹細胞の最高位にある受精卵(全能細胞)の成長を導くことわかりました(弊社特許登録)。これもまた、不妊治療、再生医療や老化制御において今後の少子高齢化・健康長寿社会に寄与するものと考えます。
Hyaluronan Today
The Matrix Biology Institute